2015/04/07 (Tue) 『トンイ(同伊)』第36話 逆転の罠 あらすじと感想、画像、キャスト、用語補足

第36話 逆転の罠

トンイが異変を感じ部屋に戻ろうとした時、オクチョンが声をかけました。

「待て、何処へ行くのだ！」と・・・

具合が悪いので帰るというトンイに、オクチョンは高飛車な態度で、

「王妃である私に逆らい、宴に出ぬつもりかと思った」と言います。

そして、ここに残れというのは頼みではなく命令だと厳しく言いました。

『トンイ(同伊)』承恩尚宮時代(31話~)の主なキャスト

『トンイ(同伊)』まとめ一覧

席に座ったオクチョンは、誰も抜け出させるなとチョ尚宮に命じます。

エジョンが会場の外に出ようとすると、全く出られませんでした。

オ・ユンが義禁府の兵を配置させ、ソ・ヨンギの話など聞き入れないのです。

どう見ても義禁府の動きが怪しいので、親衛隊の兵も動き出しました。

全てを確認した上で、ヒジェが謄録類抄(ﾂｩﾝﾉﾝﾕﾁｮ)を捜し始めたのです。

ソ・ヨンギ・チョンス・ウンテクのそれぞれの屋敷を隈なく捜し周りました。

ユ尚宮は、トンイの住まいに残る女官達を側室任命式の支度品を取りに越させます。

それを見届けてから、トンイの屋敷に謄録類抄を捜しに入って行きました。

宴会が終わり、屋敷に戻る途中で女官たちに会ったのです。

その頃、ユ尚宮たちは必死で謄録類抄を探している最中でした。

宴会が終わる時間を気にしながら、やっとの思いで捜しあてたのです。

ヒジェの方は空振りに終わり、ユ尚宮の帰りを待っていました。

トンイは急いで屋敷に戻って見ると、何も変わらない様子で戸惑っていたのです。

その時、一人の女官が居なくなったと聞かされたトンイ。

謄録類抄の隠し場所を見ると、そこあった書が消えていたのです。

ユ尚宮は見つけた謄録類抄を、オクチョンの前に出しました。

本物かどうか確かめて、チンに会ってくれとヒジェに言ったのです。

オクチョンは、自分の刀の方が早かったと得意満面の笑顔でした。

ソ・ヨンギにこの事を伝えたのは、チョン尚宮でした。

宴会の最中に、トンイの住まいから消えた謄録類抄。

チョンスと共に聞いた彼は、渋い顔に変化していったのです。

使節団の責任者は、肅宗に国境の軍備を強化している証拠があると言いました。

それを立証できるなら、国境の視察を許可すると言ったのです。

もし違うなら、お互いがお互いを許さないと一歩も引きませんでした。

オ・テソクを呼んで、謄録類抄を渡すと話したのです。

彼は必ず波風が立つといいますが、それを待っているとオクチョンが言いました。

謄録類抄を持った清国が、黙っておらず肅宗が窮地に陥ると言います。

チンが自分らから、この謄録類抄を手に入れたとは言えないはずと言います。

清国が抱える問題が、周辺諸国への戦争であり、その為の費用が必要だ、

戦を起こすと言い出した時、オ・テソクがなだめるのだと筋書きを話しました。

シム・ウンテクが、捕らえられていた小屋から連れ出されます。

オ・ユンが居て始末しろと言うと、司憲府の管理だから問題になると部下が言うと、

ウンテクはその話を聞いて、笑い出してしまったのです。

「問題は既に起きている、それなのに後で問題とは聞いて呆れます」と。

「後の祭り、そう言う意味ですが。分かっておられぬようですね」と。

ウンテクは自信あり気に、笑いながらオ・ユンに話したのです。

オ・ユンはウンテクの首に刀を向けて、どう言う意味かと訊きます。

ウンテクは、もうお察しなのではと答えました。

その時、親衛隊がオ・ユンたちを囲み、刀を向けてきたのです。

最初から仕組んでいたのかと、オ・ユンが訊きました。

今度は逃れられないと、チョンスが面と向かって言い捨てたのです。

チョンスの声で、オ・ユンたちは親衛隊に捕まってしまいました。

チンに謄録類抄に渡したヒジェは、残る取引をしようと言った時です。

その妓楼は親衛隊に取り囲まれ、ヒジェは慌てて謄録類抄を引ったくりました。

裏に逃げた彼は書に火を付けようとしましたが、阻止されました。

屋根の上から矢が放たれ、アッという間に親衛隊に取り囲まれたのです。

ソ・ヨンギが出てきて、折角の謄録類抄を燃やすとはと言われました。

これで万事休すと、ヒジェは声も出せない状態だったのです。

トンイは心配で、監察府のチャン尚宮に会いに行きました。

全て順調で、謄録類抄を渡す現場を捕らえたと話したのです。

謄録類抄も無事に取り戻したと分かり、トンイはホッとしていました。

オ・テソクは何も知らず、順調に事が運んでいると思っていました。

蒔いた種を収穫するだけと言った時、オ・テプンが慌てて入ってきます。

来る途中でヒジェとオ・ユンが親衛隊に連行されたと話し、全員が愕然としました。

トンイの元に、ウンテクとチョンスが報告に来ました。

全員が晴れ晴れとした表情で、この機会を待ち望んでいたと言ったのです。

今回の策はウンテクが考え、清国側も含め誘き出して捕らえる事でした。

ウンテクが捕まった時は、ナム副官とファン武官が見守っていました。

宴会の時、トンイは今夜が謄録類抄を狙う時だとチョン尚宮に伝えました。

ソ・ヨンギはオ・ユンの出方で、相手の思惑通りに動いたのです。

住まいに戻ったトンイが、謄録類抄がないと分かりチョン尚宮に、

遂に動く時が来たと、ソ・ヨンギに伝達するようにお願いしました。

トンイはオクチョンと決着をつける時が来たと、改めて決意したのです。

オクチョンは事が失敗したと、母のユン氏から聞かされました。

トンイが仕掛けた罠だったのかと、今になって腹を立てていたのです。

どんなに悔しがっても、冷静に事を運んだトンイたちの努力が報われました。

ソ・ヨンギは肅宗に、今回の全てを報告したのです。

謄録類抄と引き替えに、世子承認を得ようと画策したと伝えました。

報告が遅れたのは、言い逃れできない証拠が必要だったと付け加えたのです。

肅宗はショックを受け、欲望の為に自分を冒涜し国を売れるのかと、

一国の重臣たちが何故と、事実を受け止められない様子でした。

肅宗はトンイに会い、今回の件は義洲(ｳｨｼﾞｭ)から始まっていたのかと訊きます。

トンイは、ウンテクが義洲で謄録類抄を守ってくれたと話しました。

肅宗は、オクチョンも全て知っていたのかと問いかけたのです。

トンイはそれには答えられず、肅宗の顔さえも見れずにいました。

肅宗はそれだけで、全てを知ってしまい愕然としていたのです。

オクチョンはヒジェに会いに行くと言って、お付の者たちを困らせました。

内禁衛に出向き、門番が通せないというと命が惜しくないのかと怒鳴ります。

その時チョンスが、ヒジェは義禁府で肅宗が直々に尋問していると話しました。

捕まった連中は尋問場に連れ出され、肅宗の尋問を受けました。

ヒジェの前に謄録類抄を投げ、世子承認の為にした事はこれかと言います。

世子の叔父だから信じたかったと、言葉少なに話しました。

ヒジェは、これは罠だ 図られたと叫んだのです。

しかし肅宗は聞き入れず、言い訳するとは見苦しいと言い、

この者たちが罪を認め、関与した者を言うまで拷問をやめるなと叫びました。

今回の一件で清国の使節団に、本国から大使がやってきました。

大使は肅宗に謁見して、これは清国の意ではないと話したのです。

罪人の処罰は要求通り朝鮮に任せる、陛下の意でもあると続けました。

チョン尚宮たちが全て終わったと言うと、まだだとトンイは答えました。

残っている事があるというのは、前王妃が追放されたままだと言う事です。

前王妃が戻られるまでは、決して終わりではないと硬い決意を話しました。

チョン・イングクが前王妃の元に行き、これで無実が分かってくれると言います。

しかし前王妃は、あのオクチョンが簡単には倒れないと呟きました。

前王妃が誰よりも一番、冷静に現状を判断していたのです。

宮廷では南人たちが王妃を守るために、肅宗に考え直してくれと懇願しています。

そしてトンイたちは、最後の計画を実行しようとしていました。

最後の計画はトンイが考え、王妃が関与していたと証明する事なのです。

まず、監察府のチョンウムがユ尚宮たちの洗濯物を回収しました。

チョン尚宮はユ尚宮に、トンイの部屋を荒らした事は分かっていると話しました。

それを否定すると、取調室ではっきりさせてくれとチャン尚宮が言います。

最高尚宮を連行できないと言うと、チョン尚宮が札を出しました。

そして「王様のご命令です」と、きっぱりと言い切ったのです。

更に証拠もあると言われ、ユ尚宮たちは恐れおののいていました。

トンイはポン尚宮に、オクチョンの所へ行くと伝えました。

オクチョンは庭に一人で考えあぐねていた時、トンイが来たと聞かされます。

トンイの前に立ったオクチョンは、物凄い目で睨んできました。

無様な自分を見に来たのかと、トンイにぶつけてきたのです。

この程度で、王妃の座を降りたりはしないと豪語しました。

トンイを甘く見ていたから、その代償は潔く払うと言うのです。

それはヒジェを差し出す事で、彼がオクチョンの関与を認めたりしないと言います。

しかしトンイは、誰かの自白など期待していないし必要ないと言い出しました。

この罪は、オクチョン自身が立証すると言うのです。

以前、トンイが彼女を陰謀から救った時を覚えているかと訊きました。

あの時は無実だったが、今回は罪を犯していると続けたのです。

以前の方法で、今度はオクチョンの罪を立証すると言い切りました。

　　感　想　

以前の方法とは、何だか覚えておられますか？

追放された仁顕(ｲﾆｮﾝ)王后を、毒殺しようと画策したと罪に問われた時。

彼女の無実を信じたのがトンイで、生姜汁で無実を立証した話です。

『トンイ(同伊)』第10話 解かれた謎　

トンイの並外れた才覚は、奴婢の時から発揮されていました。
オクチョンの推薦で監察府の女官となり、今は尚宮となったのです。
一時は彼女に憧れ、あんな女性になりたいと願っていたトンイ。

仁顕(ｲﾆｮﾝ)王后降格の時に、オクチョンの本性を知りました。
恩のあるオクチョンとの決別は、本当に辛かったはずです。
正義は揺るぎないものだと信じるからこそ、その選択をしました。

宮廷では無いものも有るように見せかけ、罪も隠す場所だと、
オクチョンはトンイに言っていましたよね。
悪事はいつか、白日の下にさらされるのです！

次回は、いよいよ決着の時ですね。

＜用語の簡単補足＞
―この回で登場した用語―
謄録類抄(ﾂｩﾝﾉﾝﾕﾁｮ)：国境の軍の配置記録書

慕華館(ﾓﾌｧｶﾞﾝ)：中国の使節団を受け入れた場所

（朝廷に関する用語）

　　議政府(ｳｲｼﾞｮﾝﾌﾞ)：最高行政官庁

　　内禁衛(ﾈｸﾞﾐ)：王室の警護を担当する親衛隊

　　内医院(ﾈｲｳｫﾝ)：王と王室の薬を調剤する官庁

　　内需司(ﾈｽｻ)：王室の財産を管理する部署

　　漢城府(ﾊﾝｿﾝﾌﾞ)：都の行政・司法を担当する官庁

　　監察府(ｶﾑﾁｬﾙﾌﾞ)：女官を監督する部署

　　司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)：役人の違法行為を監督する官庁

　　捕盗庁(ﾎﾟﾄﾁｮﾝ)：犯罪を取り締まる官庁

　　義禁府(ｳｨｸﾞﾑﾌﾞ)：重罪人を取り調べる官庁

　　掌楽院(ﾁｬﾝｱｺﾞﾝ)：宮廷の音楽を担当する部署

　　右捕盗庁(ｳﾎﾟﾄﾞﾁｮﾝ)：都の西部・北部を管轄する捕盗庁　

　　洗踏房(ｾﾀｯﾊﾟﾝ)：洗濯をする部署
　　礼賓寺(ｲｪｰﾋﾞﾝｼ)：賓客や宰臣の饗宴や食物を司った官庁

（官職名）

　　左議政(ﾁｬｲｼﾞｮﾝ)：朝廷の高位官職名

　　都承旨(ﾄｽﾝｼﾞ)：王命の伝達と王への報告を行う官庁の長官

　　従事官(ﾁｮﾝｻｶﾞﾝ)：捕盗庁の隊長

　　最高尚宮(ﾁｪｺﾞｻﾝｸﾞﾝ)：最高責任者の尚宮を称す

　　判官(ﾊﾟﾝｶﾞﾝ)：官庁の高位官職名

　　大司憲(ﾃｻﾎﾝ)：司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)の長官　

　　発兵符(ﾊﾟﾙﾋﾟｮﾝﾌﾞ)：王が兵の動員を命じる札

　　令牌(ﾖﾝﾍﾟ)：王の命令で動いている事を示す札

（内命婦）

　　淑媛(ｽｸﾞｫﾝ)：王の側室に与える官位の一つ・従四品相当

　　承恩尚宮(ｽﾝｳﾝｻﾝｸﾞﾝ)：王の寵愛を受けて尚宮になった女官・正五品相当

（その他）
　　賓慶堂(ﾎﾟｷﾞｮﾝﾄﾞｳ)：トンイが暮らす住まい

　　親蚕礼(ﾁﾝｼﾞｬﾑﾈ)：王妃主宰の養蚕を奨励する儀式

　　恵民署(ﾍﾐﾝｿ)：庶民の医療施設

　　唐鞋(ﾀﾝﾍ)：唐草模様を施した革靴

　　白朮天麻湯(ﾋﾞｬｸｼﾞｭﾂﾌﾞｼﾄｳ)：煎じ薬の一種・関節痛や神経痛などに効く

　　奚琴(ﾍｸﾞﾑ)：二弦の弦楽器　日本語でけいきん、中国語でシーチンと読む

　　豊山犬(ﾌﾟﾝｻﾝ)：狩猟犬

　　御酒(ｺﾞｼﾞｭ)：王が注いでくれるお酒の事

　　剣契(ｺﾑｹﾞ)：賤民たちの秘密組織