2015/04/24 (Fri) 『トンイ(同伊)』第49話 王妃の願い あらすじと感想、画像、キャスト、用語補足

第49話 王妃の願い

王妃に会うため、声をかけたのですが返事がありません。

トンイは不安になり、部屋の中に入って行きました。

そこには、意識を失った王妃が倒れていたのです。

肅宗もすぐに駆け付け、王妃に声をかけ続けました。

主治医の話では、3日のうちに意識が戻れば回復するというのです。

肅宗は意識を戻らせろと命じ、主治医も命をかけてと答えました。

『トンイ(同伊)』承恩尚宮時代(31話~)の主なキャスト

『トンイ(同伊)』まとめ一覧

その頃、延礽君(ﾖﾆﾝｸﾞﾝ)はどんぐりを拾っていました。

これを拾ってどうするかとウナクに訊くと、食べるのだと答えたのです。

延礽君が食べてみると、苦くて吐き出してしまいました。

貧しい賤民は、これを食べて腹を満たすと話してくれたのです。

ちょうどそこに、賤民の子供達が争うようにしてどんぐりを食べていました。

「争うでない」と言って、延礽君は拾ったどんぐりをその子達に渡します。

ウナクは「その苦味を忘れないで。腹を空かせた民の涙の味なのです」と。

頷きながら、また一つを口にしますが「苦いなぁ」と呟きました。

ウナクは延?君の純粋さを、尊重して民の暮らしを教えてくれたのです。

宮殿に戻った延礽君は、王妃が死んでしまったのかと驚きました。

「深い眠りについておられるだけ、亡くなってなどいない」と答えます。

延礽君が習った事を報告する約束だったと、心配そうにしていました。

トンイは「王妃様は、約束を守ってくださる」と話したのです。

禧嬪は王妃が倒れた事で、天が味方してくれたと言い出しました。

今のうちに医女を見つけて捕らえると、意気込んでいたのです。

王妃は二度と目覚める事はなく、これで終わりだと言い切りました。

ヒジェは巫女の話で、王妃が死力を尽くしている姿が見えると言い、

再び目覚めれば、取り返しの付かない事になると言われたのを思い出します。

この事は、禧嬪には伝えられないと悩んでいました。

王妃の世話をするトンイが、王妃と禧嬪が会ったという話を思い出していました。

その時、王妃の容態が知りたくて、禧嬪自ら王妃殿に出向いてきたのです。

アン尚宮が断ると、中からトンイが出て来て道を空けました。

禧嬪は、深い眠りに付いている王妃に心の中で話したのです。

もう終わりにしてくれ、世子の座は渡さない。世子が王になれば、

ここは自分の物になる。自分の手を汚さない為に終わりにと言うのです。

トンイはアン尚宮に、昨夜の事を聴き始めました。

そして遂に、世子が世継ぎを望めない体だと知ったのです。

昨夜、世子の為に最後の機会を与えようと禧嬪に会ったと話しました。

その頃、延礽君は王妃の為に菖蒲の花輪を作ろうとしていました。

菖蒲で花輪を作れば病が逃げて行くと、宮殿に来る前に教えて貰ったのです。

そこに世子が通りかかり、自分も手伝いたいと言ってくれました。

王妃の横には肅宗が居て、アン尚宮も同席していました。

肅宗は自分を恨んでいるだろうと、言い出したのです。

王妃は政略により、自分の傍に居ると思っていたと語り始めました。

それが宮廷で政事なのだと、王妃に心を開いてやれなかったと。

アン尚宮は、王妃は一度も王様を恨んだ事はないと断言したのです。

世継ぎを残せなかった事で自分を責め、王室と王に罪を犯したと話していました。

チョンスはソ・ヨンギに、禧嬪と王妃の警護を厳重にと申し出ました。

これはトンイが頼んだことで、ソ・ヨンギはすぐに手を回したのです。

手配が済んだ時には既に、ユン氏が巫女を宮殿に入れていました。

王妃が心配で王妃殿に向かったトンイは、暗闇で灯を見た気がしたのです。

ポン尚宮は疲れていると言いましたが、まさにその時に、

ヒジェ達は、王妃の呪詛を巫女にやらせている最中だったのです。

ユン氏に、放火の犯人にされそうになったホヤンは、すっかい怯えて、

布団から出て来ようとはしませんでした。

必ず殺すと言われた言葉が、耳に焼き付いていたのです。

翌朝になり、延礽君は王妃の為の菖蒲の花輪を作っていました。

宮殿にはないと言い、王妃殿の傍まで行ったのです。

そこで王妃の呪詛を行った証拠を、延礽君が見つけました。

トンイに報告が入り、すぐに監察府のチョン尚宮達が呼ばれたのです。

呪詛の証拠を前に、監察府が捜査を始めました。

証拠が見つかった事は、相手は知らないので内密にと命が出たのです。

誰もが、この呪詛が就善堂の仕業だと感じていました。

そんな時に、王妃の女官であるチョングムが消えてしまったのです。

すぐに宮殿は封鎖しましたが、既に逃げられた後でした。

トンイ達は、チョングムの部屋を捜してみたのです。

しかし、彼女の部屋からは何の手がかりも見つかりませんでした。

そしてヒジェに脅かされて、チョングムは医女の所在を話してしまったのです。

ヒジェが医女の居場所に着くと、既に医女は何者かに連れ去られていました。

慌てたヒジェは、家の周辺を探し始めたのです。

その時 親衛隊が来たと言われ、ヒジェはその場に短刀を落として行きました。

医女が、トンイでもヒジェでもない者が連れ去りました。

それは異変に気付いたムヨルだったのです。

新たな敵が、目に見えない形でトンイに近付いていました。

王妃が目を覚ましたのですが、長くはもたないのです。

トンイに、必ず生き残ると誓ってくれと言いました。

それを聞いて泣きながら、必ず生き残ると堅く誓ったのです。

そして王妃は、トンイと出会えて嬉しかったと言いました。

トンイという友を得て、どれほど幸せだったことかと続けました。

急に苦しそうになった時、肅宗が入っていきたのです。

主治医を呼ばなければと言い、トンイは出て行きました。

王妃は肅宗に、先にお傍を離れて申し訳ないと言います。

肅宗は一度だけ、機会をくれと言い逝かせないと言いました。

最後に王妃は、肅宗にトンイと延礽君を守ってくれと言い残しました。

　　感　想　

延礽君にどんぐりの味を試させたウナク。

民の涙の味だとは、実に的確な表現でしたね。

その味を、もう一度噛みしめる延礽君も素晴らしいです。

実際の延礽君は、朝鮮王朝で最も長い間、君主として君臨しています。

その在位期間は何と、52年間だったそうです。

学問を好み、印刷技術の向上など“朝鮮のルネサンス”と呼ばれたそうです。

意識のない王妃に向かって、禧嬪が言った事はすなわち、

このままあの世に逝ってくれという事です。

よくもそんな事を言えたな、そんな事を言う為に来たのかと・・・

道を空けた時のトンイの表情が、何とも言えないものでした。

禧嬪になど、王妃を見せたくないのでしょう。

それでも、自分よりも位が上なのですから仕方がありませんでした。

＜用語の簡単補足＞

（朝廷に関する用語）

　　議政府(ｳｲｼﾞｮﾝﾌﾞ)：最高行政官庁

　　内禁衛(ﾈｸﾞﾐ)：王室の警護を担当する親衛隊

　　内医院(ﾈｲｳｫﾝ)：王と王室の薬を調剤する官庁

　　内需司(ﾈｽｻ)：王室の財産を管理する部署

　　漢城府(ﾊﾝｿﾝﾌﾞ)：都の行政・司法を担当する官庁

　　監察府(ｶﾑﾁｬﾙﾌﾞ)：女官を監督する部署

　　司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)：役人の違法行為を監督する官庁

　　捕盗庁(ﾎﾟﾄﾁｮﾝ)：犯罪を取り締まる官庁

　　義禁府(ｳｨｸﾞﾑﾌﾞ)：重罪人を取り調べる官庁

　　掌楽院(ﾁｬﾝｱｺﾞﾝ)：宮廷の音楽を担当する部署

　　右捕盗庁(ｳﾎﾟﾄﾞﾁｮﾝ)：都の西部・北部を管轄する捕盗庁　

　　洗踏房(ｾﾀｯﾊﾟﾝ)：洗濯をする部署
　　礼賓寺(ｲｪｰﾋﾞﾝｼ)：賓客や宰臣の饗宴や食物を司った官庁

（官職名）
　　庶尹(ｿﾕﾝ)：漢城府の重職

　　左議政(ﾁｬｲｼﾞｮﾝ)：朝廷の高位官職名

　　都承旨(ﾄｽﾝｼﾞ)：王命の伝達と王への報告を行う官庁の長官

　　従事官(ﾁｮﾝｻｶﾞﾝ)：捕盗庁の隊長

　　最高尚宮(ﾁｪｺﾞｻﾝｸﾞﾝ)：最高責任者の尚宮を称す

　　判官(ﾊﾟﾝｶﾞﾝ)：官庁の高位官職名

　　大司憲(ﾃｻﾎﾝ)：司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)の長官　
　　君(ｸﾝ)：王の庶子などに与えられる称号

　　発兵符(ﾊﾟﾙﾋﾟｮﾝﾌﾞ)：王が兵の動員を命じる札

　　令牌(ﾖﾝﾍﾟ)：王の命令で動いている事を示す札
　　謄録類抄(ﾂｩﾝﾉﾝﾕﾁｮ)：国境の軍の配置記録書

（内命婦）
　　淑儀(ｽｷﾞ)：王の側室に与える官位の一つ・従三品相当

　　淑媛(ｽｸﾞｫﾝ)：王の側室に与える官位の一つ・従四品相当

　　承恩尚宮(ｽﾝｳﾝｻﾝｸﾞﾝ)：王の寵愛を受けて尚宮になった女官・正五品相当

（その他）
　　信標(ｼﾝﾋﾟｮ)：王室の者である事を証明する札

　楽記(ｶﾞｯｷ)：音楽に関する経典

　六経(ﾘｸｹｲ)：儒教の6種類の経典

　　賓慶堂(ﾎﾟｷﾞｮﾝﾄﾞｳ)：トンイが暮らす住まい

　　親蚕礼(ﾁﾝｼﾞｬﾑﾈ)：王妃主宰の養蚕を奨励する儀式

　　恵民署(ﾍﾐﾝｿ)：庶民の医療施設

　　唐鞋(ﾀﾝﾍ)：唐草模様を施した革靴

　　白朮天麻湯(ﾋﾞｬｸｼﾞｭﾂﾌﾞｼﾄｳ)：煎じ薬の一種・関節痛や神経痛などに効く

　　奚琴(ﾍｸﾞﾑ)：二弦の弦楽器　日本語でけいきん、中国語でシーチンと読む

　　豊山犬(ﾌﾟﾝｻﾝ)：狩猟犬

　　御酒(ｺﾞｼﾞｭ)：王が注いでくれるお酒の事

　　剣契(ｺﾑｹﾞ)：賤民たちの秘密組織