2015/03/21 (Sat) 『トンイ(同伊)』第30話 王の決意 あらすじ、画像、キャスト、用語補足

第30話 王の決意

トンイの意識が戻ったと聞いて、チョンスは急いで別邸に来ました。

煎じ薬を飲んだ時、チョンスが入って来ます。

心配をかけたと謝ると、いいのだとチョンスが答えました。

ヒジェが捕まったことが、すぐにオクチョンやオ・テソクに伝わりました。

理由は前王妃の件だと分かり、トンイが肅宗の手に有ることを示しています。

前王妃が無実と分かれば、オクチョンが窮地に陥ると心配していました。

ソ・ヨンギは捕らえた者は、自分で尋問するとナム副官に言いました。

ヒジェの所に行くと、彼はソ・ヨンギに悪態の限りをつくします。

多くの罪を犯して、無実を叫ぶとはと苦笑いが出てしまいました。

肅宗にトンイの意識が戻ったと報告があり、大喜びしています。

傍に居ても居なくても心配ばかりかけると言う肅宗。

ハン内官は、ならば傍に居た方が良いのではと問いかけました。

恥ずかしそうにしながら、トンイの所には行かないと決断します。

今の状況では宮廷内の全ての目が、王宮殿に向いていると話す肅宗。

自分が動く事で、トンイが別邸に居ると知られる恐れがあると言いました。

肅宗はオクチョンの訪問を受け、今回の話を始めました。

兄は無実だと訴え、もし関与していたなら自分が止めたと話します。

証拠があると言う肅宗に、オクチョンは偽りの証拠だと言い張りました。

トンイの話は無条件で受け入れ、自分の話は受け入れないのかと言い、

たかが女官の話と自分とでは、どちらが真実かと言い出したのです。

肅宗は、真実を話すなら罪に目は瞑れなくても、心は許せると言いました。

そう言っても、自分は許しを請うような事はしていないと答えたのです。

親衛隊が捕まえた者たちを拷問しますが、誰も自白しません。

ソ・ヨンギは、ヒジェを連れて来いと命じたのです。

ヒジェを尋問するという事が、肅宗の気持ちの現われでした。

南人はオクチョンの企みを遂行する事にしました。

オ・ユンは、肅宗の思う人に手を出すのを躊躇っています。

しかし、それしか生き残る道はないとオ・テソクが決断しました。

トンイはソリを別邸に呼んで、今までの感謝を伝えます。

ここに来る前に頼んでいたのは、謄録類抄(ﾂｩﾝﾉﾝﾕﾁｮ)を隠す事でした。

ソリの執事がそれを取りに行ってくれていると知り、トンイはホッとしたのです。

チョン尚宮達が釈放され、波紋はもっと広がりました。

前王妃の関与を認めさせる為、やっきになっていたのです。

それが急に釈放されたのですから、何かの意図が見え隠れしていました。

その頃、オクチョンはヒジェに会いに、取調室に行きました。

武官が止めようとしますが、王妃に逆らうなと恫喝していたのです。

自分が必ず、ここから出してあげると言って泣いていました。

チョン尚宮たちの釈放の理由は、すぐに明らかになりました。

南人たちがトンイの証拠を認めないと言って、肅宗に詰め寄ったのです。

南人達の狙いは、トンイの引き渡しが目的でした。

トンイは自分の引き渡しが狙いだと知り、オクチョンの言葉を思い出します。

許しは力のある者に力のない者が請うという言葉を、改めて思い出し、

その意見が間違っていると証明する為、宮廷に戻ると決意しました。

ソ・ヨンギに向かい、トンイは義禁府に出向くと言い出します。

肅宗が守ろうとしていると、ソ・ヨンギは説得しました。

宮廷では、肅宗が都承旨からトンイの引き渡しを説得されていたのです。

その夜、別邸では刺客が現れ、トンイを亡き者にしようとしました。

表に見えている兵は少数でしたが、圧倒される数の兵が隠れていたのです。

ソ・ヨンギとチョンスに、呆気なく捕まってしまいました。

肅宗が別邸を訪問したのに、トンイはそこには居ませんでした。

何事もなく済み、事なきを得たのです。

その頃、トンイは前王妃の住まいを訪問していました。

トンイは自分がこれからすべき事で、前王妃に危害が及ぶのを恐れ、

宮廷に戻る事を伝える為に、ここに来ていました。

前王妃は生涯、返せない程の借りがあると答えたのです。

前王妃は肅宗の気持ちを、トンイに伝えたのです。

トンイが慌てたら前王妃は、自分に気を使って気持ちを隠すのは止めて、

肅宗の気持ちを嬉しく思うなら、快く受け入れよと話してくれたのです。

かつては自分の女でありたいと願ったが、それは自分の役目では無いと悟ったと。

肅宗の心の中に居るのはトンイで、肅宗の傍に居るべきだと話しました。

自分はそんな資格はないと言い張るトンイ。

前王妃は資格なら、ずっと前に肅宗が与えたと話したのです。

何も迷わず、快く謹んで肅宗の心を受け取り、心を捧げよと言いました。

これはこの国の王妃として、トンイに頼みたい事だと言ったのです。

トンイが別邸に帰ると、そこにはカンカンになった肅宗が待っていました。

何処にも行かずここで待っていろと言ったのにと、本気で怒っています。

トンイがおとなしく従う自分が愚かだったと言い出す始末です。

今日はトンイが自分に背いたお陰で、難を逃れたと話しました。

肅宗はトンイを連れて、町の居酒屋に行きました。

ここは一人の男としての夢が叶った場所だと、肅宗が言います。

背中を踏まれ酒を飲まされ、豚の皮まで食べた場所でした。

いつまでもこの事は忘れずに、トンイに話してやると豪語していました。

一笑いしてから、トンイは宮廷に戻りたいと申し出たのです。

トンイは肅宗の為に、自分ができる事を宮殿でしたいと言いました。

肅宗は力のない女官で怖くないのかと、トンイに訊きます。

トンイは自分には肅宗が付いているから、軽んじられる事もないと答えました。

了解してくれた肅宗は、トンイを守る為にできる事をすると言ったのです。

ハン内官が別邸を訪れて、宮廷入りせよと伝えてきました。

肅宗から贈られた服を身に付けて、入ってこいというのです。

重臣を集めた肅宗は、南人の要望を聞き入れると言いました。

肅宗は、宮廷入りするトンイは監察府の女官ではないと言います。

トンイは承恩尚宮(ｽﾝｳﾝｻﾝｸﾞﾝ)として、相応の待遇を受けると宣言しました。

その頃、トンイは輿に乗って宮廷入りをしました。

肅宗が大事にしていた唐鞋(ﾀﾝﾍ)を履いて、宮廷の土を踏んだのです。

緊張した面持ちのトンイの後に、ハン内官たちが歩いていきました。

＜用語の簡単補足＞

（朝廷に関する用語）
　　議政府(ｳｲｼﾞｮﾝﾌﾞ)：最高行政官庁
　　内禁衛(ﾈｸﾞﾐ)：王室の警護を担当する親衛隊
　　内医院(ﾈｲｳｫﾝ)：王と王室の薬を調剤する官庁
　　内需司(ﾈｽｻ)：王室の財産を管理する部署
　　漢城府(ﾊﾝｿﾝﾌﾞ)：都の行政・司法を担当する官庁

　　監察府(ｶﾑﾁｬﾙﾌﾞ)：女官を監督する部署

　　司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)：役人の違法行為を監督する官庁

　　捕盗庁(ﾎﾟﾄﾁｮﾝ)：犯罪を取り締まる官庁

　　義禁府(ｳｨｸﾞﾑﾌﾞ)：重罪人を取り調べる官庁

　　掌楽院(ﾁｬﾝｱｺﾞﾝ)：宮廷の音楽を担当する部署
　　右捕盗庁(ｳﾎﾟﾄﾞﾁｮﾝ)：都の西部・北部を管轄する捕盗庁　
　　洗踏房(ｾﾀｯﾊﾟﾝ)：洗濯をする部署

（官職名）
　　左議政(ﾁｬｲｼﾞｮﾝ)：朝廷の高位官職名
　　都承旨(ﾄｽﾝｼﾞ)：王命の伝達と王への報告を行う官庁の長官
　　従事官(ﾁｮﾝｻｶﾞﾝ)：捕盗庁の隊長

　　最高尚宮(ﾁｪｺﾞｻﾝｸﾞﾝ)：最高責任者の尚宮を称す

　　判官(ﾊﾟﾝｶﾞﾝ)：官庁の高位官職名

　　大司憲(ﾃｻﾎﾝ)：司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)の長官　

　　発兵符(ﾊﾟﾙﾋﾟｮﾝﾌﾞ)：王が兵の動員を命じる札
　　令牌(ﾖﾝﾍﾟ)：王の命令で動いている事を示す札

（内命婦）

　　淑媛(ｽｸﾞｫﾝ)：王の側室に与える官位の一つ・従四品相当

　　承恩尚宮(ｽﾝｳﾝｻﾝｸﾞﾝ)：王の寵愛を受けて尚宮になった女官・正五品相当

（その他）
　　親蚕礼(ﾁﾝｼﾞｬﾑﾈ)：王妃主宰の養蚕を奨励する儀式
　　恵民署(ﾍﾐﾝｿ)：庶民の医療施設

　　唐鞋(ﾀﾝﾍ)：唐草模様を施した革靴
　　白朮天麻湯(ﾋﾞｬｸｼﾞｭﾂﾌﾞｼﾄｳ)：煎じ薬の一種・関節痛や神経痛などに効く
　　奚琴(ﾍｸﾞﾑ)：二弦の弦楽器　日本語でけいきん、中国語でシーチンと読む
　　豊山犬(ﾌﾟﾝｻﾝ)：狩猟犬
　　御酒(ｺﾞｼﾞｭ)：王が注いでくれるお酒の事
　　剣契(ｺﾑｹﾞ)：賤民たちの秘密組織