2015/03/21 (Sat) 『トンイ(同伊)』第29話 見えてきた真実 あらすじ、画像、キャスト、用語補足

第29話 見えてきた真実

トンイは失意の中、心を落ち着かせようと兄の奚琴を弾いていました。

その清らかな音色が、肅宗を引き寄せてくれたのです。

弾き終わるとトンイは「王様」と呟きました。

肅宗は目の前にいるのが、トンイだとすぐに分かったのです。

「ここに居るのはそなたなのか。本当にそなたなのか」と言う肅宗。

トンイの「王様」という声を聞いて、肅宗はトンイを抱き締めていました。

オ・ユンもチャン・ヒジェも、トンイを捕まえる事ができませんでした。

ヒジェは自分が仕留められなかったにも関わらず、オ・ユンの部下を痛め付けたのです。

元はといえば、ヒジェが仕留められなかったのに八つ当たりでした。

肅宗が王宮殿に居ないと知ったオクチョンは、一抹の不安を感じました。

そこにヒジェが来て、取り逃がしたと知ったのです。

オクチョンは、肅宗がトンイを見つけたと感じていました。

肅宗は宮殿の外で、トンイの体調が心配で医官を呼んだのです。

トンイは肅宗の庇護の下、少しだけ安心をしていました。

肅宗の別邸に移されたトンイは、庭園で今までの事を考えていたのです。

肅宗が「二度とそなたに会えぬかと思うと、胸が張り裂けそうだった」という言葉。

生きているなら何故、会いに来なかったと言われ、謝るだけのトンイ。

肅宗はトンイを苦しめたのは自分だと言って、トンイを再び抱きしめたのです。

肅宗が奚琴の音を聞いて見つけてくれたのが、信じられなかったのです。

以前に聞いた音色を、肅宗は覚えてくれていました。

物悲しく清らかな調べを、忘れられなかったがトンイとは思わなかったと。

肅宗はトンイに二度と会えない事が、こんなに恐ろしい事だと知らなかったと言います。

トンイが消えた後、ソ・ヨンギから全てを聞いたと言いました。

トンイが何度も話そうとしたのに、邪魔をした自分を許せと言うのです。

トンイは何も話さなかったのは、肅宗が苦しむのが辛かったと話しました。

自分を見つけてくれただけで、自分の不安が吹き飛んだと話したのです。

トンイの笑顔を見た肅宗は、死んでも悔いが無いのはこんな感じだといいました。

チョンス達は、トンイが無事だと聞いて肅宗の元に駆けつけました。

チョンスは庭園に居るトンイに、会いに行ったのです。

そこには笑顔のトンイが居て、本当に安心させられました。

謝るとトンイに、会えただけでいいと言って抱きしめたのです。

肅宗は、チョンスが居ることで安心できると言いました。

ソ・ヨンギに渡した書簡には、前王妃の件で処刑された医官の証拠があり、

前王妃の件に、オクチョンと南人が関与している証拠にもなるのです。

肅宗はトンイに主治医に診てもらえというと、私ごときにと辞退します。

トンイは自分の体と同じだという肅宗。

その会話を聞いたチョンスは、驚愕していたのです。

一方、オクチョンが怒鳴り散らした王宮殿に、肅宗が帰ってきました。

オクチョンが話をしようとしましたが、肅宗は冷たくあしらったのです。

その事でオクチョンは、何かがあったと感じてしまいました。

トンイが寝ようとすると、チョンスが布団を敷いてくれました。

一人になったトンイは、肅宗の言葉を想い出していたのです。

　　　　私ごとき？

　　　　まだ分からんのか

　　　　もう二度と、そなたが居ぬ苦しみはご免だ

　　　　余の事を少しでも思うなら、従ってくれ

そしてチョンスもまた、同じ言葉を思い出していました。

肅宗がトンイを想っていた事を感じていたのです。

早朝に肅宗は、都承旨を呼びました。

監察府のエジョンが、チョン尚宮たちの様子を見に行ってきました。

するとソ従事官が戻った事で、チョン尚宮たちが助かると言い出したのです。

ソ・ヨンギが内禁衛(ﾈｸﾞﾐ)の大将になった事は、すぐにヒジェにも伝わりました。

彼が最初に手がけたのは、義禁府(ｳｨｸﾞﾑﾌﾞ)だったのです。

オ・ユンはそれを知らずに居たので、ソ・ヨンギから先制攻撃を受けました。

ソ・ヨンギが「以前は自分の記録が押収されたが今度は逆だ、

世の中は、変わるものですな」と言い捨てました。

オ・ユンの驚きと落胆は、口では表せない程だったのです。

王妃殺害と別の件でも、再調査を命じられたソ・ヨンギ。

ナム副官は、王妃の女官たちからも聞き取り調査をしていました。

遂に王妃の周りまでもが、再調査の対象となったのです。

ソ・ヨンギはトンイから、緑豆の話を聞きました。

緑豆は解毒作用があるので、それを服用して毒の力を弱めたのではと、

トンイが、オクチョンの自作自演を言い当ててしまったのです。

ソ・ヨンギは、トンイの話を中心に調べを進めると言いました。

トンイの顔色が悪いので、ここまで苦労をかけたがここからは、

肅宗と自分に任せてくれと、案じながらも労をねぎらってくれました。

ポン尚宮とエジョンは、前王妃の住まいに行きました。

肅宗が、前王妃の件を再調査するように命じたと話したのです。

親蚕礼(ﾁﾝｼﾞｬﾑﾈ)の事件は、前王妃を陥れる自作自演だと伝えました。

前日までは、そんな話がなかったのに急に何故だと言い出す前王妃。

ポン尚宮がすぐに、トンイが生きて都に戻って来たと伝えました。

自分の件を喜ぶよりも、生きていたと聞かされた方が嬉しかったのです。

チョンスが別邸の警護を厳重にしていた時、トンイが倒れてしまいました。

医官は事前に煎じ薬を用意したのですが、様態が急変したのです。

トンイは肅宗には言わないでと言って、気を失ってしまいました。

義禁府に出向いたソ・ヨンギは、チョン尚宮たちに今までの経緯を話し、

もう少しだけ、辛抱してくれと伝えました。

チョン尚宮は「真実が明らかになる事だ」と言っていたのです。

トンイの持ってきた証拠があれば大丈夫だ、というチョンウム。

しかしチョン・イングクはそう簡単な事ではないと言いました。

今の朝廷は南人が牛耳り、肅宗に力添えできる人が居ないと言うのです。

南人たちも危機感を持って、オ・テソクを中心に集まっていました。

自分達の力を見せ付ける時だと息巻き、肅宗に対抗するつもりです。

そんな時、足元から小さな綻びが生じました。

内需司の書庫を新築する際に、司憲府から調査に来ていたのです。

基礎工事の最中に、土の中から消失したはずの帳簿が出て来ました。

誰も居なければそのまま処分できますが、司憲府が見てしまったのです。

所長はその事をヒジェに伝え、自らがそれを盗む事になりました。

偽物だとは知れず所長は部下を従えて盗みに入り、その場で捕らえられます。

所長の帰りが遅いと見に行くと、ヒジェも捕らえられました。

同じ頃、オクチョンは肅宗の煎じ薬の事で医女を呼びました。

正直に答えなければ命は無いものと思えと、恫喝したのです。

医女は耐え切れずに、肅宗の別邸に届けていると答えてしまいました。

オクチョンは、別邸にはトンイが居ると推測します。

肅宗は医官から、トンイの意識が戻らないと聞かされました。

トンイと呟いた声がトンイの耳に入り、長い眠りから覚めたのです。

＜用語の簡単補足＞

内禁衛(ﾈｸﾞﾐ)：王室の警護を担当する親衛隊

親蚕礼(ﾁﾝｼﾞｬﾑﾈ)：王妃主宰の養蚕を奨励する儀式

（朝廷に関する用語）
　　議政府(ｳｲｼﾞｮﾝﾌﾞ)：最高行政官庁
　　内医院(ﾈｲｳｫﾝ)：王と王室の薬を調剤する官庁
　　内需司(ﾈｽｻ)：王室の財産を管理する部署
　　漢城府(ﾊﾝｿﾝﾌﾞ)：都の行政・司法を担当する官庁

　　監察府(ｶﾑﾁｬﾙﾌﾞ)：女官を監督する部署

　　司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)：役人の違法行為を監督する官庁

　　捕盗庁(ﾎﾟﾄﾁｮﾝ)：犯罪を取り締まる官庁

　　義禁府(ｳｨｸﾞﾑﾌﾞ)：重罪人を取り調べる官庁

　　掌楽院(ﾁｬﾝｱｺﾞﾝ)：宮廷の音楽を担当する部署
　　右捕盗庁(ｳﾎﾟﾄﾞﾁｮﾝ)：都の西部・北部を管轄する捕盗庁　
　　洗踏房(ｾﾀｯﾊﾟﾝ)：洗濯をする部署

（官職名）
　　左議政(ﾁｬｲｼﾞｮﾝ)：朝廷の高位官職名
　　都承旨(ﾄｽﾝｼﾞ)：王命の伝達と王への報告を行う官庁の長官
　　従事官(ﾁｮﾝｻｶﾞﾝ)：捕盗庁の隊長

　　最高尚宮(ﾁｪｺﾞｻﾝｸﾞﾝ)：最高責任者の尚宮を称す

　　判官(ﾊﾟﾝｶﾞﾝ)：官庁の高位官職名

　　大司憲(ﾃｻﾎﾝ)：司憲府(ｻﾎﾝﾌﾞ)の長官　

　　発兵符(ﾊﾟﾙﾋﾟｮﾝﾌﾞ)：王が兵の動員を命じる札
　　令牌(ﾖﾝﾍﾟ)：王の命令で動いている事を示す札

（内命婦）

　　淑媛(ｽｸﾞｫﾝ)：王の側室に与える官位の一つ・従四品相当

　　承恩尚宮(ｽﾝｳﾝｻﾝｸﾞﾝ)：王の寵愛を受けて尚宮になった女官・正五品相当

（その他）
　　恵民署(ﾍﾐﾝｿ)：庶民の医療施設

　　唐鞋(ﾀﾝﾍ)：唐草模様を施した革靴
　　白朮天麻湯(ﾋﾞｬｸｼﾞｭﾂﾌﾞｼﾄｳ)：煎じ薬の一種・関節痛や神経痛などに効く
　　奚琴(ﾍｸﾞﾑ)：二弦の弦楽器　日本語でけいきん、中国語でシーチンと読む
　　豊山犬(ﾌﾟﾝｻﾝ)：狩猟犬
　　御酒(ｺﾞｼﾞｭ)：王が注いでくれるお酒の事
　　剣契(ｺﾑｹﾞ)：賤民たちの秘密組織